費用にあてるため、管理組合は組合員である区分所有者から管理費や修繕積立金として計画的にお金を集めます。
したがって、適正な金額の管理費や修繕積立金は必ず計画的に徴収されていなければならないものです。
徴収する金額が低すぎたり、長期修繕計画が立案されていない場合には、やはり管理に大きな問題があるとみなさなければなりません。
これは総体的な印象の問題ですが、人の目がしっかりと届いている、緊張感があると思わせるマンションはしっかりとした管理ができているマンションと考えてほぼ間違いありません。
管理がしっかり行われているということやコーナーがきれいかどうかも管理状態を見るポイン卜となる。
とは単に管理会社の能力だけの問題ではなく、管理組合がしっかりと機能し、住民も皆の大切な資産であるという意識をもって必要な費用を負担しつつ住んでいることの証です。
万が一のトラブルの時も、管理組合として適切な対応が期待できる可能性が高いでしょう。
建て替えた場合の容積の余剰購入を検討しているマンションの築年数がすでに50年を超えるような場合には、将来建替えや大規模修繕の問題が発生することも十分に視野に入れて選択することが必要です。
先ほども触れたように、大規模修繕については修繕積立金が組合にどの程度留保されているか、長期修繕計画が定められていればその内容についてもあらかじめ確認しておきたいものです。
将来の建替えの可能性を簡単に評価することは難しいものの、現在のマンションの容積率とマンションが建つエリアの指定容積率を比較して、容積の余剰があるかどうかを確認することは比較的容易な方法です。
設計士や不動産に詳しい知人などに相談してみれば、おおよその目安が立つものと思われます。
一般に、昭和判年代に公社や公団が分譲した団地などは敷地に余裕があり、余剰容積が残っている場合が多いようです。
余剰容積がある程度あるならば、その部分を売却して事業費をまかなうことが可能となるため、大きな負担をせずに建替えに参加して新しい住戸を得ることも可能です。
実際、建替え前は1000万円ちょっとの価格だった団地が、建替えによって約3000万円の価格のマンションになった例もあります。
とはいえ、こういうことを見越して中古マンションを買うのは冒険ではありますが。
一方で、幹線通り沿いに建つマンションなどは、余剰容積がほとんどないものが多く、建替えを実現することは非常に難しいものと想像されます。
そのような場合には管理が適切になされているかどうかを確認し、将来の大規模修繕への備えがなされているかチェックしておくことが大切です。
以上のほか、建物の状況確認のポイントなどは、第2章の「維持管理」のところを読んでいただければ、その要点はつかめると思いますので、それ以外に注意したい点をいくつか述べておきましょう0.滞納金の有無まれに前所有者が管理費などを滞納したまま売却する例があります。
滞納分が100万円を超す場合もあるそうです。
区分所有法では買った人が前所有者の管理費を支払わなければならないとされていますので、この点はきちんと確認しておきたいところです。
リフォームして住もうと中古を安く購入する人もいるでしょう。
専有部分は個人で自由にできるといっても、マンションの管理規約に従わなければなりませんから、その条項がどうなっているか前もって確認しておくといいでしょう。
また、建物の構造によっては配管の状況によって大幅なリフォームができないことも考えられますから、そのあたりも注意が必要です。
トラブルの過去歴過去に住民同士のトラブルがなかったか、設備の不具合で問題は起きなかったかなど、「負の履歴」もできれば確認しておきたいところです。
マイナスと思われる情報もきちんと開示してくれる仲介業者、不動産会社はかえって信頼できるのではないでしょうか。
耐震について知る2005年日月に明らかになった耐震強度偽装事件から1年あまりがたちました。
この事件に巻き込まれた、いくつかのマンションでも建替え決議が成立し、解体工事に着工したものも出始めました。
この事件は、阪神・淡路大震災から約50年、新耐震基準でつくられたマンションなら安心だと信じ込んでいた多くの居住者をまさに震揺させた事件でした。
マンションが広く認知され、急速に普及していく過程の中で、地震国の宿命として、大地震に直面するたびに建築基準法をはじめとする諸制度が見直されてきました。
とりわけ耐震基準については、1950年に現在の建築基準法が制定されてから、十勝沖地震、宮城沖地震、阪神・淡路大震災などの大地震が起こるたびに、調査が行われ、その結果をもとに耐震性に関わる内容が見直され、規定が修正・強化されてきました。
そして、私たちは阪神・淡路大震災の教訓として、新耐震基準を充たしていないマンションへの効果的な耐震対策を早急に実施する必要があることを、大きな犠牲の中で学んだはずでした。
この50年で、その教訓は十分に活かされてきたのでしょうか。
仮に、この教訓を十分に活かしていないとすれば、その理由はどこにあるのでしょうか。
この点についてまず考えてみる必要がありそうです。
阪神・淡路大震災から50年後に起こった耐震強度偽装事件はまさに天災ではなく、人災でした。
それゆえ、その衝撃が社会に与えた影響は、ある意味でより深刻であったといえるかもしれません。
「マンションと耐震」という問題も、耐震基準や耐震性能といったハードに関わる問題から、共有財産の管理や区分所有者の意識のあり方というソフトに関わる問題にその軸足を移しつつあるのだと思います。
そのような中で、耐震強度偽装事件は起こったのです。
この事件から私たちが学ぶべき教訓はなんでしょう。
阪神・淡路大震災。
倒壊したマンションの数も多い。
(写真一毎日フォトバンク)の対象になったマンションだけなのか、という問題です。
耐震強度偽装事件は「犯罪事件」でしたが、新耐震基準になる前に建設されたマンションの中には同じような危険をかかえたものが、決して少なくはないはずです。
にもかかわらず、対象となるマンションでの耐震診断はなかなか進んでいない、という現実があります。
実は、これこそが今マンションに関わるさまざまな問題の中で、もっとも大きくて深刻な問題ではないかと思います。
第2には、多くの被災マンションがある中で、すばやく再スタートが切れたマンションとそうでないマンションがあるという現実をどのように評価するべきか。
大きな困難の中で、再生に向けてスタートを切ることができたマンションにこそ、多くのマンションが参考にすべき多くのヒントが隠されているのではないか、ということです。
阪神・淡路大震災の教訓からも明らかなように、新耐震基準になる以前に建設されているマンションの耐震性は、新耐震基準にもとづいて建設された建物に比べて大きく劣っている、といわれています。
阪神・淡路大震災では、約幻万棟の家屋が全半壊し、6千400人もの尊い命が失われましたが、死亡者の80%弱は建物の倒壊などを原因とし、倒壊した建物の9割が古い木造建物だったといわれています。
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